ピピピ───

携帯のアラームを止め、ゆっくり起き上がる。


昨日、家の前まで送ってくれて、学校からずっと離してくれなかった手にチュッとキスをして…。


思い出して、恥ずかしさで顔が熱くなる。

ベットの上でうずくまっているとドアが勢いよく開いた。


「あゆ~おはよう!」


そのまま私に突進してきた弟の和也 5歳。
くりくりとした目、女の子でも通る可愛い顔、茶色がかったサラサラヘアー…でも中身はやっぱり男の子。


「…和也君、朝から突進するのは止めてって言ったよね?」


ニコニコと笑顔の和也。


「ごめんね?」


この顔に毎朝やられる私…、今日もため息つきつつ手を繋いで下に降りた。