「あの!」


慌てて手を離そうとする亜由美。


「な、なんで…?」


困惑する亜由美の手を持ち上げ軽く口づける。

「一緒に帰ろうと思って…。」


「へっ…? まだゲームしてる…?」


顔をほんのり赤くして聞いてくる。

うっ~抱きしめてぇ─。


「俺、ゲームなんてしてない。」


「えっ…じゃあ、朝のは……。」


「今更『No』は受付ねぇからな。」


「…………。」

ぽかんとする亜由美に笑いかけ、我慢できなかった俺は彼女を抱きしめた。


「早く俺を好きになれ。」


呪文のように耳元で囁いた。