ギュッと目を瞑って、泉堂君の返事を待つ。


ふわりと抱きしめられた。
徐々に力がこめられた。



「本当に…?今の…?」

泉堂君が囁く、その声は少し震えていた。

抱きしめられて、嬉しくて恥ずかしくて、泉堂君の腕の中で頷いた。


「くっ…よっしゃー!! 」


急に身体が浮いたと思ったら、くるっと振り回された。



その時、泉堂君がかぶってた帽子が飛んでしまった。
いつもの長めの茶髪がなく…、すっきりとした坊主頭があった。


「せ、泉堂君 !! その頭…。」

「こんな坊主頭の俺は嫌か?」

微かに赤い顔で照れてるその瞳は、不安そうで、こんな顔の泉堂君を初めて見た。


「ふふ…可愛い。」 何だか可愛くて、頭を優しく撫でた 。

小さい子どもにするように…。


泉堂君は、片手で顔を隠して、顔を背けた。


「泉堂君?」

「やっ、ちょっと待って…。」


笑った事、怒ったのかな…。
許してほしくて顔を覗きこんだ。