「あれ?かず兄? 」

離れがたくて亜由美の部屋の窓を見つめていた所を部活帰りの拓也に見つかってしまった。

「デートの帰り?」

「何で…。」

拓也に不意をつかれ、戸惑う俺を不思議そうに見る。


「え?違った? だって、姉ちゃん朝から鏡の前でソワソワしてたからさ…、……何かあった?」


朝からソワソワ……、楽しみにしてくれてたのか…なのに最悪な日にしてしまった。

「拓也…、俺がここにいた事、内緒な?」

「? 何で?」

「いや…やっぱり言って?」

せめて今日追いかけてきた事は知っておいてほしい…。
狡いよな俺…でも、狡い事でも君を思う気持ちを知っておいてほしいんだ。