「ほら和哉、ボサッとしないで!」


「…あぁ」


お袋を軽く睨んでから亜由美を連れてリビングに入った。


リビングに入るとニヤニヤと笑う親父と姉貴がいた。


「なんで居るんだよ…。」


「お前こそ、俺に内緒か~?」


睨み合っていたら手を引かれた。


「泉堂君…。」

「あぁ、ごめん。」

不安そうにする亜由美に慌てて謝る。


「あの、初めまして、藤崎 亜由美です。」


ペコッと頭を下げ挨拶する亜由美。


「可愛い~!初めまして! 姉の玲羅(レイラ)です。よろしくね。」


姉貴は亜由美に近づくとガバッと抱き着いた。


「ひぇっ! うわっ!」


亜由美は突然の事にびっくりしている。


「姉貴!」


姉貴を引きはがしたら…。


「父の隆也です!」

「キャッ!」
すかさず、親父が亜由美に抱き着いた。


「離れろ!くそ親父!」

脇腹を蹴りあげ亜由美から引きはがした。


ったく! だから黙ってたんだよ!