亜由美は、俺の家の前で足を止め、固まってしまった。

「大きい家……。」


「そうか? つぅか行くぞ? そんな緊張しなくても居るのお袋だけだからな。」


亜由美を引っ張って玄関に入った。


「ちっ…。」


玄関にある靴を見て思わず舌打ちした。


「ど、どうしたの?」


亜由美が不安そうに伺っている。


大きくため息を吐いた時、奥からパタパタとスリッパの音がした。


「おかえり~。」

「お袋……喋ったな?」


お袋は俺をスルーして亜由美に微笑んだ。

「いらっしゃい、和哉の母です。」


「は、初めまして!藤崎 亜由美です!」

亜由美は慌ててお辞儀した。