「始めまして~俺、拓也!中2です。よろしく!」


「あぁ、よろしくな。」


元気いっぱいだな、仲良くなれそうだ。

「拓也!こいつ、やっつけろ!あゆは僕のだ!」

「はあっ?『兄ちゃん』だろが! お前さぁ~、姉ちゃんとは結婚出来ないんだぞ? 馬鹿じゃねぇの?」


拓也は、亜由美に縋り付く弟を馬鹿にしたように鼻で笑う。


「嘘だ!嘘つき!お母さん!兄ちゃんが嘘つく!」

お母さんは困ったように
「かず?本当よ?」
ため息混じり、和也に言った。


「うっ…嘘だ──!」


和也は泣きながらリビングを飛び出し、2階へと駆け上がっていった。