「大丈夫か!?」

「ああ……」
 
聖は身を起こそうとするが、中々立ち上がることが出来ない。

「セイ、選手交替だ。少し休んで体力回復させろ!」
 
と、蒼馬は阿修羅王に向かっていく。

「待て、蒼馬!」
 
蒼馬を追いかけようとして、ガクッと膝の力が抜ける。

「くそっ……」
 
体が気持ちについていかない。
 
自分は神ではない。こんな莫大な力を支えられる程の身体<うつわ>なんて、ない……。

(うつわ……)
 
それは神の魂を宿す、ただの入れ物ということ?

 
自分の考えたことに体中が震えた。
 
自分達の存在とは、そんなものなのか?

(……違うだろ)
 
またマイナス方向に考えている自分に渇を入れる。

(俺たちは、俺たちとしてここに存在する)
 
ただの生まれ変わりではなくて。
 
ちゃんと、自らの意思で戦っているはずだ。勝って、運命を変えるために。

 
そのためには、今止まっていては駄目だと思った。
 
前に進まなくては。