「っよし、じゃ行くか」



新聞紙で包まれた花束を手に持ち、
私は吸い込まれそうなほど青く澄んだ空を見上げながら、歩き始めた。





しばらくしてお墓に着く。
お墓には誰もいないようだ。


私はいつものように、
まず、自分の家のお墓の前へ行き、

「 おはよ 」

と言ってニヘッと笑い、
花瓶に入っている花を抜いて、空になった花瓶をとる。


枯れかかった花を左手に持ち、
右手に花瓶を持って水道へと足を運ぶ。



水道までたどり着き、持っていた花を下に置いて、花瓶の水を入れ換えようと私は水道の蛇口に手をかけた。


しかし、
「―ん? あっ、あれ!?」

いつも普通に回って、
すぐに水が出るはずの蛇口が回らない。