そこでみたものは彼女の靴といつも持ち歩いていたバッグでした、しかし靴は1足のみバッグは散乱していた状態でした。

何がここであったの?としか思いつきませんそしてまさかそんなことはありえない!その時聞こえてきた言葉でした

「何であんなに若いのに・・・」良く聞き取れませんでした
でもなんとなく心の中から「うそだろ?!」そしてそれ以上は

聞けませんでした。彼女の家族の自宅に連絡「白十字の前まで大至急来てください」と涙声で言っていたような気がします。

「何があったの?喜美になにかあったの?」そんな言葉だったような気がします。

でも答えられずに早く来てくださいの一点張りだったような記憶です。

それからの私はボーっと立ち尽くし彼女の家族の来るのをひたすら待つだけでした。

でも「ありがとう、あとはこちらと家族の方とで大丈夫です」の一言で車に入り少し休憩。

まっ直ぐに家に帰ることも出来ず、いつも行き付けのスナックりんごに立ち寄り水割りを飲み始めマスターと会話を始めようとした

そんな時両の目からは何故か涙が溢れ出し一向に止まる
ことがありません。

心配したマスター、常連の近藤君が「どうした?なにがあったんだ?」と声をかけてくれますがうなずくだけで声になりません。

淋しさと悲しさが渦巻いて心の中がワンワン言っています。なぜって?それは彼女がこの世にいなくなってしまったのを、思い知らされているからにほかなりません、他の席にいた皆さんにも

かなりの迷惑をかけての深酒と言うよりは浴びたような飲み方をしたのは間違いありません。

そしてだらしなく車道に大の字に寝て後輩の連中が引きずって自宅まで送ってくれた事でしょう。

だれも翌日に責める事もなく悲しげな表情で迎えてくれ、「元気出せよ!」と言ってくれたマスターの言葉も耳には残っています。

何故そんな飲み方をしちゃったのかここで一気に語ります、そう私が一生をかけて好きになったこの世で最愛の婚約者がいなくなっちゃてしまったということを。

ここで前にとまっていた車の持ち主「喜美」(きみと読んでください)、について思い出しながら30年の想いとその間の二人が培った一生の思い出を語らせてもらいます。