「おう」
俺は、すれ違う時に声をかけた。
ユッキーは、驚いたような顔をして俺を見た。
「山田・・・・・・君?」
「何?」
「ううん。なんでもない。サッカー頑張ってね」
そう言って、頬を赤らめた。
やっぱり、俺はユッキーが嘘つきだとは思えなかった。
だけど、今日のユッキーの態度を見て、優雅の言ったことが真実だとわかってしまった。
俺に声をかけられて、驚いたのは、ユッキーの嘘をまだ知らないのかと思ったからだと思う。
全部本当のことを俺に知られてしまったと思っていたはずなんだよな。
だから、あんなびっくりした顔をした。
俺は知らないフリを続けたかった。
そしたら、いつか俺を好きになってくれるかな?