―苦悩―
「難しい問題だよねぇ」
登校する足取りが重くなる。
「だねぇ」
私は亜沙子と一緒に空を見上げた。
今日はどんより曇り空だった。
「私達のことよりも、まずは山田だよね」
私がそう言うと、亜沙子はうんうんと頷いた。
「山田は純粋だからね~」
「うん。バカだけど、純粋だから本当のことを知ったら、どうなるかわかんないよ」
「今日の放課後、優雅に相談してみようか」
優雅も純粋だからなぁ・・・・・・
ショックを受けちゃうだろうなぁ。
そう思いながら歩いていると、背後から声をかけてきた。
「よぉ~!陽菜ちゃん、亜沙子ちゃん!おはよ」
あまりに爽やかな優雅の登場に思わず、キュンとしてしまった。
「優雅だぁ!!!」
私と亜沙子はなんだかホッとして優雅を挟んで歩き始めた。
「何?俺、何かした?」
「ううん。今日の放課後、相談に乗って欲しいことがあるんだけど」
優雅は、想像していた通り、快くOKしてくれた。