「あわわっ!小早川っ!!いや、小早川先生っ」
「俺が担任で嬉しいのか?佐藤」
爽やかブルーのベストを着た小早川の登場だ。
小早川保【コバヤカワタモツ】。
37歳の独身。
イケメンと言うにはおじさんっぽい気がする。
まあまあイケてるおじさん、ってとこ??
「1年間、よろしくな。佐藤」
この人が、亜沙子の彼氏である古典の教師。
「津田、新しいクラスにも友達いたか?」
小早川は優しい声と表情で亜沙子を包み込む。
でも、まだまだ教師としての顔。
「はい。でも・・・・・・陽菜と離れちゃった・・・・・・」
亜沙子は、上目使いで私を見つめた。
思わず抱きしめたくなっちゃうかわいい顔。
「そうだな。それは寂しいと思うけど、また新しい友達ができるよ」
小早川は、人目を少し気にしつつ、亜沙子の頭に手を乗せた。