「陽菜があんなこと言うなんておかしいもん。何があったのか話して!」
「ユッキーは?」
「ユッキーには悪いけど、私は陽菜が大事だから」
亜沙子は、ユッキーを置いて私を追いかけてくれた。
亜沙子、ごめん。
亜沙子はそういう子だったよね。
私、バカだ。
私と亜沙子は、雨に濡れない場所に移動した。
公園の横にある静かな神社。
「ごめんね。亜沙子」
「ううん。私こそ、いろいろユッキーに話しちゃったから」
「そうじゃないんだ。私が悪いの」
ユッキーに裏の顔があるかもしれないということも悩みではあったけど、それ以上に自分のこの感情が嫌だったんだ。
ユッキーと亜沙子に嫉妬している自分が、たまらなく嫌だった。
それを伝えたいのにうまく言葉が見つからない。