涙が出てきて、王子に電話したかったけど、まだ5時になっていなかったのでやめた。
ひとりで歩いていると、雨が降り出した。
晴れているのに、空からは雨が降って来ていた。
今の私たちの関係のように思えた。
表面的には仲良し3人組だけど、心の奥では決してそうではない。
少なくとも私自身は、ユッキーに対して“友達”という気持ちがなくなってきつつあった。
「やっぱり話さなきゃ!!」
ユッキーと亜沙子が、今ふたりきりでいる。
ということは、小早川とのことを話してしまうかもしれない。
私は慌てて携帯を取り出して、亜沙子に電話をかけた。
「出ない。どうしよう」
何度かけても出ない。