「亜沙子!そういえば、私達も行かなきゃ!」
私が一番演技力がなかった。
だが、そんなことはどうでも良い。
私は亜沙子の手を引いて、カラオケを出た。
待って~!というユッキーの声は聞こえなかったことにしよう。
この後のことは、山田に任せよう。
山田、頼んだよ。
「うまく行くかな?」
「いきなり接近するのは難しいと思うけど、いいきっかけになればいいよね」
私と亜沙子はドキドキしながら、山田とユッキーのことを話していた。
ユッキーからメールも電話もなかったので、もしかして山田のヤツ、冷たくしたのか??と心配していたら・・・・・・
その夜、山田から電話があった。
『どうしよう』
山田の第一声。
予想もしない展開だった。
山田とユッキーはあの後、キスをしてしまったそうだ。
どういう風にそうなったのか、山田に何度も聞いたけど、よくわからない返答だった。