「ユッキーって子、本当に山田のこと好きなのか?」




王子は、私の手をぎゅっと握り直した。




「どうしてそんなこと言うの?」



王子の質問に私も亜沙子も驚いた。



ユッキーはどこからどう見ても、山田に恋をしているんだもん。






「いきなり登場した感じだから、ちょっとなぞなんだよ」




王子は、ユッキーの話をした時からちょっと心配していたんだよね。



亜沙子と私の仲に入りたいだけなんじゃないか、とか言い出すし。


絶対にそんな子じゃないもん。




「今度、一度会ってみてよ。会ったらわかるよ。ユッキーめちゃめちゃ良い子だから」




私が笑顔でそう言うと、王子は首をかしげた。




「俺はいいよ」





王子の変な反応を見て、小早川がいじわるを言う。





「ユッキーかわいいから、晴斗君惚れちゃうんじゃないか?」




亜沙子が小早川の背中をバシっと叩く。