「そうそう、陽菜!山田とユッキーの計画だけど、いつにする?」
クラクラしている私の横で、爽やかに手を繋いでいる亜沙子。
「え?え?あ、そうね」
動揺しまくりの私。
「来週くらいにしようよ」
「うん、そうだよね」
手を繋がれてそれどころじゃなくなっている私だけど、亜沙子は話し続ける。
「山田はユッキーの気持ちに気づいていないから、今のうちに仲良くなったほうがいいと思うんだ。山田の方がユッキーに惚れちゃったら、トントン拍子だもん」
山田の惚れ傾向は、私も亜沙子も理解している。
身近にいるちょっと可愛い子に恋をするのは確実だ。
「また余計なことしようとしてる~」
と王子は笑ったけど、私も亜沙子も真剣だった。
「亜沙子は優しいな」
小早川は、さっきから亜沙子しか見ていない。
学校では、絶対に視線をそらしてるもんね。
特に授業中は冷たいんだよって亜沙子は言ってたね。
まっすぐな性格の小早川だから、そうしないと崩れちゃうのかもしれない。
授業中にニヤける癖は、どうやら治ったみたいだし、一安心。