「俺たちだって負けてないだろ」




耳元で甘い声を出す王子。



こっそり手をつないでくれた。





「ひゃ」



と変な声を出してしまった私を見て、小早川が笑う。





「佐藤は、手を繋ぐのもドキドキしてるのか?」




いつも私にバカにされている仕返し?



嬉しそうに笑っている小早川。





「別にっ!!ドキドキなんてしてないもん」





私はそう答えたけど、王子が指の間に指を絡ませてきたもんだから。




「ひゃぁっ」



とまた声を出してしまった。






「陽菜ぁ~、ドキドキしていいんじゃぁ」





王子はエロい顔をして、私に体をくっつけてきた。




こんなささいなことで、全身ドキドキしちゃっている私。





覚悟ができているはずだけど、いざエッチなんてなったら、私失神しちゃうかも。




キスだけでも、倒れちゃいそうなのに……