その夜の王子との電話。
「作戦とか絶対失敗するぞ。余計なことはすんなって」
冷静な王子の意見はごもっとも。
でも、好奇心旺盛でお節介な高校3年生の女子は、止められないのだ。
毎日、数分だけでも声を聞くことができる。
会えないけど、その時間だけで私は頑張れる。
でも、やっぱりデートは嬉しい!!!!
「ドライブの話聞いたか?亜沙子ちゃんが計画してくれたんだろ?」
今日の王子は、なんだか標準語だ。
仕事の関係で、標準語を話すことが多いせいかな。
新人が入ってきて、その教育で忙しい王子。
「そうなのそうなの!亜沙子、最高でしょ?しかも、小早川もそろそろ亜沙子とデートしたくて私に頼んできたんだよ~」
テンションの上がる私。
「会いたいのに会えないってのは、つらいもんだからな」
な~んて、今日は二枚目な王子。
こういう話し方も好きだ。