「そんなに早く帰りたいの?王子……」
ちょっぴり女の子っぽく言ってみる。
今の上目使いは絶対に失敗だったと思うけど、王子は見ていなかった。
「俺といっぱいキスしたいん?もっとエロいことしたいん?」
「いやいや!そういうわけでは……」
「俺が早く帰りたいわけない。あのキスでもう満足なんじゃ……」
珍しくちょっと照れた顔をした王子が感動的なことを言ってくれた。
「大事にしたいから。だから……ダラダラとキスしたくないだけ。イチャイチャしとったら、エッチしたくなる。だから……俺が考えた我慢の方法なんじゃ」
王子。
王子って、本当に素敵な人だ。
優しくて、かわいくって、面白くて、情熱的で。
最高に愛してる!!
「好き!!」
王子の首にぎゅっとくっついた私に王子はもう一度キスをしてくれた。
「俺も好きじゃ。受験生は早く帰って勉強しろ」
王子は相変わらず、王子だった。
会うたびにドキドキをくれて。
会うたびに、“頑張ろう”と思える。