絶対に叶うはずのなかった恋。



遠い遠い人だったのに。





今はこんなにも近くにいる。



こんなにも。







「陽菜ぁ、覚悟しとけよぉ?」



「優しくしてください」






王子の部屋は夕日が差し込んでいた。



王子の肌と私の肌が重なる。






「一生忘れんな」





忘れない。


忘れられない。





ずっと待っていてくれた。



私を大切にしてくれた。







いつもいつも、私を守ってくれた。





私のことを、愛してくれた。








「愛してる、陽菜」



「王子ぃぃぃ~」