「今日、会いに行っていいか?」
どうしても今日会いたい。
今日、ぎゅって、したいんだよ。
俺はある決心をしていた。
陽菜が大学に合格したら、陽菜のご両親に挨拶に行こうと。
合格しなくても行くつもりだったけど。
「お久しぶりです」
ちゃんと伝えたい。
俺の想い。
俺は、真剣に将来のことも考えている。
きっと、陽菜は知らないと思うけど。
陽菜のお父さんとお母さんが、俺を迎えてくれた。
テーブルの向かいに座るお父さんは、俺に緊張感を与えないようにニコニコしてくれていた。
「合格、おめでとうございます」
と俺が言うと、陽菜がエヘヘと笑った。
こういう堅苦しい雰囲気を崩す名人だからな、陽菜は。
そういうとこ、大好きだけど。