「陽菜ちゃん、ごめんね」
小さな声で呟くように謝るユッキーに、私は大声で謝ることしかできなかった。
「ごめんっ!!私こそ、ごめん!本当にごめんなさい」
王子は、気を利かせて少し離れたベンチに腰掛けた。
王子の存在を目の端で確認しながら、私はユッキーに一歩近付いた。
「友達に、戻れる?」
私の問いかけに、一瞬の沈黙の後、ユッキーが答える。
「友達に、なってください」
大粒の涙がこぼれた。
ユッキーの瞳からも、私の瞳からも。
きっと王子は聞いている。
聞いていないフリをして、空なんて眺めてるけど。
王子は、私達以上に喜んでくれているのかもしれない。