「陽菜ちゃん、同じクラスになりたいな」
爽やかに桜の木の横をすり抜けて行ったのは、プリンス。
お忘れではないか?
私のことを愛してやまなかったプリンス優雅のことを・・・・・・
彼の名前は、大沢優雅【オオサワユウガ】。
年齢は私達よりひとつ上。
留学をしていたから、去年から一学年下の私達と勉強している。
そのおかげで友達になれたんだけど。
優雅が帰国した時は、本当にお祭り騒ぎだった。
超イケメンで、背も高く、性格も良い。
そんな優雅に愛されちゃったんだよね、私。
もったいないことしたと思われるかもしれないけど、私は優雅を選ばなかった。
そんな優雅にもめでたくかわいい年下の彼女ができた。
嬉しいくせにちょっぴり寂しさもあったりする。
これが乙女心というものだ。