「ユッキーは、先輩に小早川先生の噂を消してくれるように頼んでくれた。でも、仕返しを怖がっていたから、俺は連絡先を教えてしまった。何かあれば、俺が間に入るから、と」






王子は運ばれたカキ氷にゆっくりと視線をうつした。





「早く食べたい?」




手を握ったまま甘い声でそう言った王子。




私はコクンと頷いた。





「まだだめ。俺の話が終わってからな」




「はい」






王子の手の温もりが本当に嬉しかった。




不安になりそうになると、王子の手が“大丈夫”って言ってくれるようだった。