「隠していたことは謝る。本当に悪かった」




店員さんが離れると、王子は私の手を握った。




私と王子は、カキ氷を注文した。






「ユッキーと何度か会った。最初は俺から会いに行った」





王子は私の手をずっと握ってくれていた。



だから、不安はなかった。



「陽菜に話すべきだったな、先に。俺はちょっとかっこつけすぎていたかもしれない。陽菜が悩んでいるのをずっとそばで見ていて心配で仕方がなかったんじゃ。だから、こっそり陽菜を助けたかった。勝手にユッキーに会いに行って、小早川先生のこと誤解だからって話しに行ったんだ」






よく考えればわかったはずだ。





王子のこと私が一番わかっているはずなのに。





王子がユッキーに会う理由。



それは私を助けるため。





真実を聞いて、ハッとする。




どうして気付かなかったのかと。