涙を我慢するのに必死だった。
「信じてる。王子のこと、信じてるよ」
「嘘つけ。信じてないから逃げたんだろ。信じてないから疑ってんだろ」
確かにそうだ。
私は信じることができなくなっていた。
「いいわけさせてくれる?」
「いいよ。でも、先に俺の話を聞け」
王子が連れて行ってくれたのは、いつか行ったことのあるカフェ風なレストランだった。
ハワイアンな音楽がかかっていて、オレンジ色の薄暗い照明がムーディーだった。
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