その日の夜に、王子と会うことになった。




突然会いたいと言い出した私に、王子は驚いた様子だった。





私の家の近くの公園まで来てくれた。



仕事終わりの王子は、やっぱりかっこいい。



腕まくりしたシャツ。


緩めたネクタイは、私の大好きピンクだった。






月がとても綺麗な夜だった。




星を探したけど、公園の街灯が明るくて見つけることができなかった。







「なんじゃあ??受験勉強に疲れたか?」





夜なのにまぶしいよ、その笑顔。




そんな笑顔見ちゃうと、何も言えなくなる。





信じたい。



だって、大好きな王子だもん。


信じたいよ。



でも・・・・・・信じられなくなってるんだ。



今の私は。