「それは、早く解決しなきゃいけないよ。今すぐ王子に会いに行くべきだよ!!」
亜沙子は、私の両手をガシッと掴んだ。
「そう思うんだけど、怖くて聞けない」
「そんなんでいいの?王子と陽菜は、これからずっと一緒にいるんだよ!!きっと、何か理由があるはずだから。それを聞かなきゃだめだよ」
ユッキーと会うには何か理由がある。
そう思った。
でも、私に黙っている理由もあるはず。
やましくなければ話してくれると思うんだ。
「陽菜!!しっかりしな。王子のこと信じなきゃだめだよ。王子はそんな人じゃないってわかってるでしょ?」
亜沙子の熱い目を見ていると、我慢していた涙が溢れた。
だめだ。
このままじゃ。
「わかった。ちゃんと話すね」
「それから、何かあったらすぐに私に相談すること!!ひとりで悩んでたなんて、ショックだよ。私は、陽菜の親友なんだから」
私は亜沙子の手を握り返し、笑顔に戻った。