その場から離れるべきなのか、声をかけるべきなのか、悩んでいる間にふたりは歩き始めた。 私は動けないまま、しばらくその場に立ち尽くしていた。 いろんな妄想が駆け巡り、頭の中がパンクしそうだった。 「何?今の」 声に出してみる。 頭の中にいる悪魔が囁く。 “あのふたり、いつの間にか急接近したんだよ” “陽菜が知らないうちに付き合ってるんだよ” “ユッキーはやっぱり王子が好きなんだよ”