「4組一緒に入ってよ」
私は亜沙子の腕を掴み、4組の教室の窓辺へ走った。
1年の教室から見える景色とは全然違った。
新芽の出た木々が新しい季節を感じさせてくれる。
でもその木が邪魔で、よく見えない。
「あ、見えるかも」
2年の時のようによく見えるわけじゃないけど、確かにちゃんと見えた。
大好きな王子の職場。
3階の端の部屋が王子の働く部屋。
「ピンクのシャツ!!」
亜沙子は私よりも先に王子を発見した。
「あ!!いた!!コピー機の前」
「あくびしてるよ!!」
「あははは!」
大好きな人の姿を見ることができて、新学期の緊張がほぐれた。
何も変わらないよね。
教室が変わっただけ。
今までと同じように楽しく過ごせるはず。