「陽菜、4組からだと市役所ギリギリ見えるんじゃない?」
4組の前の廊下で亜沙子とコソコソ話。
「見えるかな?5組が一番見えやすい!!亜沙子、私の分も王子のこと見ててね」
「もちろん!その代わり、ちゃんと小早川先生のこと観察してね」
私の恋の始まりは、びっくりしちゃうくらいドラマチックだったりする。
教室の窓から、灰皿王子に恋をしたんだよね、私。
すごくない?
あまりにも暇な授業だったんで、市役所をボーっと見つめてたんだ。
その時に、王子を見た。
だから、暇な授業をしてくれた古典の小早川には感謝しないといけない。