私はあの頃に戻ったような錯覚に溺れていた。


でもすぐに現実に戻された。


「疾風・・・っ」


目の前に疾風がいる・・・
悠から離れなきゃ・・・

私の腕は悠を離すためにゆっくり動き出した。


悠は疾風の存在に気がつき、私が離すよりも早く私を離した。


「・・・叶愛の彼氏?」

「・・・あぁ・・・そうだけど?」


疾風は悠に近づく。

そして悠の胸ぐらを掴んだ。


「テメェ・・・叶愛に何やってんだよ・・・」


やめて・・・疾風・・・・やめて・・・


悠は涼しい顔を崩さなかった。


「俺は・・・まだ叶愛が忘れられない・・・」


え・・・・?