お姫様はあたしの
前までゆっくりと
歩いてきて、
あたしを下から上まで
じっくり見つめた。
「あ、あの…?」
なんかこの子
人のことなめ回すように見て
ちょっと感じ悪くない?
「なんだ。
たいしたことないのね」
「はっ??」
「幹成様が夢中になってる
みたいだから、
どんな方なのかと
思ったけど…」
お姫様はあたしを見て
フンッと笑って言った。
「それ、幹成様に
もらったのね?
そーゆうの、
豚に真珠
って言うのよ」
「なっ…!?」
「あなた、くれぐれも
幹成様が自分のこと
好きなんじゃないかとか
思わないでよね。
幹成様は根がお優しいから
あなたみたいな
貧相な身なりの人を
ほっとけないだけよ。
それかあまりにも
みすぼらしいのが
逆に面白いのかしら。
どっちにしろ
あなたの片思いよ」