―――――…
「ただいま~」
「おばちゃんお土産ー」
「あらあら!
萌絵ちゃん遅かったのねぇ。
あっ!
殿様までこんな時間に!」
「ちょうど雨に
降られちゃってさー」
「雨宿りで偶然会って
もう時間も遅いから
モエを送ってきたんだ。
はい、干物」
「あらあら美味しそうな干物!
じゃあ萌絵ちゃんに
頼んでいいかしら!」
「まかせてー!
ごはんできたら呼ぶね」
「よし、じゃあ
オレは畑を手伝おう!
おーいモスケ~」
今日は殿もごはんを
食べていくみたい。
ごはん作るの
ちょっと緊張するな…。
「あ。
ごはんの前に…」
あたしは家に入って、
殿からの浴衣を
丁寧に置く。
浴衣とはいえ
久しぶりのおしゃれで
自然と顔がにやける。