「あ…」
ふいに殿が声を漏らした。
「顔…昨日と違うな」
「あ、うん…。
今日は化粧してないから…」
殿に言われたの気にして
出来なかったってのは
内緒だけど…。
こんなに間近で
見られるならちゃんと
しとけば良かった。
「そっちの方がいいぞ」
「え…」
「昨日より今日の方がいい。
モエ、肌きれいだな」
まるであたしの
心を見透かしたかのような
殿の言葉に驚きながらも、
どこを見ていいかわからず
目がキョロキョロする。
だってこんなストレートに
誉められたことなんか
今までないよ…//
本当に女の子と
仲良くなったこと
なかったの??
素でこれなら
すごい天然…。