「あっ!!
やべっ!
母ちゃんの財布
落としちまった!!」
「ええっ!?
おばちゃんから預かったお金
全部あんたにまかせて
あったのに!!」
「ちょっとオレ歩いた道
引き返して探すから
萌絵先に帰ってろ!」
「え~
しょうがないな。
あたしも探すよ」
「いい!
雨降ってくるといけねーから
お前は早く帰れ!」
そう言ってモスケは
逆走していった。
あたしはお言葉に甘えて
帰ることにする。
が……
ポツリ…ポツポツ…
パラパラパラ…
「うわあ…
降ってきちゃった」
歩き出して5分たつか
たたないかの内に
雨が降りだした。
まだ家まで20分はかかるので
一旦どこかで雨宿りを
することにする。
すでに1人の男の人が
立っている大きな
木の下に入ることにした。