――――…





「今日は来ないな~」







とっくにトマトたちに
水はやり終えたのに
殿は現れない。







「べっ!
別に殿に来てほしいわけじゃ
ないけどさあ~?」

「ちょっと萌絵ちゃん!
なに1人で話してるの」

「えっ?
おばさんっ!
畑はどうしたの?」

「それがちょっと
雨が降って来そうだからね。
まだ降ってないうちに
萌絵ちゃん代わりに
おつかいに行ってきて
くれないかい?」

「なんだ!
ちょうど暇だったし
あたし行ってくるよ」

「すまないねえ」

「母ちゃーん
仕事終わったぞ~」

「あらモスケ!
ちょうど良かったわ!
あんた荷物持ちね!」

「はあ?
何の話?」

「オッケー!
いくよモスケ!!」

「あ、ちょっ!
おいっ!!」

「いってらっしゃ~い!」