――――…
「ふーっ!
終わった終わった」
「モエ!
これは何だ!?」
「あー、それ
あたしのデジカメ」
あたしがじょうろを
片付けている間に
殿はとっくに
縁側に移動して
あたしのカバンを
あさっていた。
あたしも殿の隣に
腰を下ろす。
「なんだ?
どうやって使うんだ?」
「これはねー、
写真が撮れるの。
撮りたいものに向けて…
このボタンを押す!」
カシャッ
デジカメの画面には
キラキラ輝く雫をつけた
トマトやピーマンの苗木が
美しく写っていた。
「おおーっ!!
これはすごい!!!」
はしゃいだ殿は
パシャパシャと
写真を撮りまくる。