「…なんだこれ」

「すごくきれいな色だな」







萌絵が用意したのは
トマトであった。



この時代にとぶ前に
買い物したものだ。







「これはね、
トマトって言うの。
未来じゃこんなおいしい
食べ物が日常的に
食べられているのよ」

「…本当にうまいのか?
血の味がしそうだ」

「どれ、食ってみよう」

「あっ殿様…」








モグモグモグモグ…








モスケが心配そうに
殿を見つめるが、
殿は何も言わず
トマトを食べ続ける。





そして丸々一個
食べ終わって…








「うまい!!」

「ええ~!?」

「ほらねっ」