そうこう考えているうちに部屋に着いた。
霧島は..いない。
多分、あたしのスケジュールの変更をしに自室に向かったんだろう。
きっとまた“王麗家の人間としての自覚が足りない”とか言うんだろうな。
「拓登は、違ったのに」
ぽつりと出た独り言に驚く。
あたしってば、何て事を..
でも拓登との過去の事を口にしたの久しぶりだった。
だからなのか、幼い時の事が頭の中に思い出される。
「みはなちゃんはだいじょうぶだよ、いつものみはなちゃんでいいんだよ?」
「でも、きりしまは、あたしがおうれい家のにんげんとしてのじかくがたりないっていう」