笑顔で向けると、みんながでは後ほどとお辞儀をしてそれぞれの持ち場に戻って行く。
それを見送ってからあたしも自分の部屋に向けて歩き出した。
正直に言うと、お金持ってめんどくさい。
ここにいるみんなには、ありのままのあたしを見せられるけど。
でも家を出ると違う。
あたしを一人の“王麗家の人間”としてみんなが見る。
何処かの会社のパーティーに行けば好きでもない人達からちやほやされ、
王麗グループのライバルと呼ばれている会社からは嫌味ったらしい事を言われる。
何処にいても楽しくない。
あたしにとって窮屈な場所だった。
それでも大好きなお父様やお母様には心配かけたくない一心で頑張ってるけど。
たまに分からなくなる。
あたしって一体何なんだろうって。