「違う、の。光くん、それは」

「陽菜は、誰が好きなんだよ。やっぱり、長岡なのか!」

「それとも、朝、いきなり、告白されてた斉木くん?」

「なんだ、そりゃっ!」



 未来が、よけいな爆弾発言をしてくれたせいで、光くんの目がいっきにつりあがった。

 怖い。

 整ってるから、怒ると、怖い。

 光くんが、私の二の腕をつかんだ。



「斉木に、告白されたってどういうこと! で、陽菜はなんて答えたわけ?

 なんで、そう、陽菜は男にもてるんだよ。

 ゆっくり病人もしてられないじゃないか」

「わ、わけのわからないこといわないで、光くん。

 なんだか、熱いよ。光くん、まだ、熱あるんじゃない?保健室いったほうがいいよ。

 腕離して」

「熱もう下がってきてるし、いかない。

 それに、陽菜が、誰のことが好きなのか、おしえてくれるまで絶対、離さない」

「そんな!」



 なんで、そうなるの。

 ああ、めまいがする。頭に血が上りそう。

 なんで、いきなり、そんなこと聞くの?

 さっきまで、その質問していたのは、未来さんで。

 彼女は楽しそうににこにこと、私たちの様子を眺めている。