朝早くに呼び出されたせいで、廊下にも教室にも、あたし達以外には生徒はいない。 あたし達が今いるのは、視聴覚室とかいう、存在価値があるんだかないんだか、ぱっとしない空き教室。 今朝は、コーハイに会わなかった。 いつもと時間帯が違うから、当然か。 9月下旬なのに、暑い。 お願いだから、早く話を済ませてよ。 『あのさぁ~…』 「なによ」 『付き合ってほしいんだけど』 「馬鹿?」