銀の光が4筋、走った。

ライアスは尻餅をついたが意識ははっきりした。
どうやら数瞬前の銀の光で大樹のツルが斬られライアスは解放されたらしい。

「まさか悪魔を助けることになるとはな。」
見知らぬ男・しかも人間、だった。

背格好は17歳程度。
人間なら生きた年数と見た目に差分はあるまい。

「僕は悪魔狩りのイブナク。人探しに来たはずだったんだけどな。悪魔助けちゃった。」

「何故助けた?」
ライアスとドリウスとアフストイの言葉が三重奏で重なった。

「勘違いするな。僕が助けに来たのは人間だけだ。」
でも目の前で悪魔とはいえ子供が襲われてるのはほっとけなかったし…とぼそぼそと言う。

「この木は魔法で攻撃すると襲ってくるけど刃物で斬る分には襲ってこない。」
「刃物…その銀色の平べったいやつか?」
「悪魔は刃物を知らないのか?…」
男は呆れた様子でライアス達を見返す。

「基本的に魔法を使うからね〜」
アフストイが答える。

「悪魔狩りって言ったよなオマエ…。」

眼前の男の実力がどの程度かは不明だが(人間の力はよくわからない!)ライアス達は【狩られる側】ということになる。