中1の春

わたしは平凡な学生だった。
人並みに勉強も出来て
部活だって頑張っていた。
人並みに恋だってした。

「ルカおはよーっ!」
朝、まず話しかけてくれるのは絶対親友の[こなた]。
なかなかの天然で私をいつも困らせる。

「テンション高いねー」

「あったりまえっ!今日なんの日か覚えてる?」

「あ、おめでと」

今日はこなたの記念日だった。
こなたは中1の春、小学校のときから大好きだった[啓太]に告白した。
返事は即答だった。

「反応うっす。こなちゃん泣くで~?」

「はいはい、おーめーでーとっ」

「それでよろしいっ」

こなたは私になんでも相談してくれる。
頼れるのはルカだけだって言ってくれる。

こなたにはたくさん友達が居る。
けど、私にはこなたしか居ない。

はっきり言って友達なんて面倒だ。
こんな私にこなたが近づいてくる意味がわからない。

たった1人の友達・・・。
私は今、その友達を傷つけようとしている。