その頃。
まだ、涼子は、夢の中だ。

「あのね、人には、勇気の種が、あるんだよ、」
「勇気の種?」
懐かしい頃の、記憶、おばあちゃんから、聞いた、最後の話し。
「泣いたら、泣いた分だけ、種が、育って行くんだよ。だから、今は悲しくても、いつか、その、花が咲く時が、来るんだよ」
優しい、おばあちゃんの声。
「へぇー」
その頃は、意味がわからなかった。

「う……」
目を覚ます。
和也さんの、家かな?。
そっと、ベットから起きる。
廊下を歩くと、いい匂いがして来た。
「こっちかな?」
その匂いのほうへ、行くと、リビングが、あった。
ガチャ。
ドアを開ける。
皆、気づいてないみたい…
そっと、キッチンを探す。
フラフラしていると、
「あ、涼子ちゃん、起きたの?」
和也さんが、キッチンらしきところから出てきた。
「あ、はい。ありがとうございました。あと、呼び捨てで大丈夫です。」
そういうと、
「了解!」
っと笑顔で笑ってくれた
「今日カレーだよ!もうできたから、そっち持っててくれる?」
っと、テーブルを顎でさす。
「はい。」
テーブルに、
持っていく。
コトンコトンっと、お皿を置く。
「あっ!起きたの?」
皆が聞く。
本当に、気づいてなかったみたいだ。
「はい。」
「あ!カレーーだ!」
恭平さんが、ニコニコっと、やって来る。
「はい!食べよ!」
和也さんが、残りのお皿を持って来てくれた。
「いただきます。」
皆で声を揃える。
「どう?」
一口食べると、和也さんが、心配そうに、聞いて来る
「美味しいです!」
そう答える。本当に美味しかった。
「よかった、辛くない?」
「はい。凄く美味しいです。」