あの事件のお陰で平凡な、クラスが戻ってきた。
ドラマも始まり、新しく出来た友達からは、色々と聞かれる。

いつもどうり、目覚めて学校に行く。
「いってきます。」
力なく言う。
玄関を見るとあの朝の事が蘇り涙が出てくる。
「いってらっしゃーい、」
「頑張ってね!」
まだ、皆いてくれてそっと気遣ってくれる。
涙を拭き、外に出る。

そして。
「涼子!」
「はーい。」
その声で、走ってその人のところに行く。
「遅いぞ。」
「ごめんね………侑!」

あのあと侑は、事件から1週間後に目が覚め、物凄い回復力で、すぐ退院出来た。
今では、二人で居るのにも慣れて、呼び捨てで呼ぶようになった。
「何ニコニコしてんだよ。」
あの、ニコッとした笑顔で、言う。
「なんでもない」
笑顔で返す。
「それよりね、俺デビューする事になったよ!」
照れたように髪をくしゃくしゃする。
「え、本当!!いつ決まったの?」
「うーーんとね2週間前。」
え…。
「2週間前……何でもっと早く…」
いい終わる前に何かが私の口を止めた。
!!!!!!!!!
「まだ、話は終わってないよ。」
二人で向き合う。
「…なに?」
「あの、さ、この前は強引だったからもう一回。……俺と、付き合ってください。」
そんなのもう答えは決まってる。
「もちろん。いいよ!」
もう一回、口づけをする。


「ねえ、なんでもっと早くデビューの事教えてくれなかったの?」
通学路を歩きながら言う。
「告白する時に言おうと思って…皆知ってるよ、和也さん達も、クラスの皆も。」
「え????」

夢見たい。
毎日がこんなに楽しいなんて。

全部、全部…
皆のおかげ。
私、あの時助けて貰って良かったって思ってるよ!
ありがとう。
ずっと、ずっと、
一緒に、いてね。