「侑、侑ーーーー!!」
肩を揺すり、叫ぶ。
その時。
…ピーポーピーポー
段々近くなる音。

そして。
ガラッ!
「動くな!」
扉が開くのと同時に声が飛び交う。
20人は、すぐ取り押さえられ、ビデオが、いい証拠になった。
侑は、すぐに運ばれ、それに俺らもついて行った。

静かな病室。
侑の親は、2年前に亡くなっていて、よく俺らが侑を、家まで送って行った。
毎月、縁のない祖母から、お金が振り込まれていたらしい。
そんな事を考えていると、涙が出ていた。
皆は下を向いてただ、ただ侑を眺めている。
「目ぇ、覚ませよ、なぁ…やっとダンスも上達して来て、前に来れたんだろ?…なぁ……侑…」
声が震えるのが自分でもわかる。
そんな俺を、勇作と竜也が止める。
「和……もう、辞めろ…」
そう言っている、勇作の目は赤く腫れていた。

だいぶ落ち着いて来て、静寂が、戻ってくる。
「侑、もう目覚まさないのかな?」
ストレートな、恭平の疑問に皆答える事が出来ない。